SSL証明書の期限と自動更新を確認する方法
SSL証明書が切れると、サイトは警告画面になり、ほぼ誰も見られなくなります。期限と発行元の確認方法、自動更新が止まる典型的な原因、証明書の有効期間の短縮への備えを整理します。
ある朝、「ホームページを開いたら警告が出る」とお客様から電話が来る——SSL証明書の期限切れは、ある日突然サイトが止まる典型的な原因です。しかも、自動更新のはずだったのに止まっていた、という形で起きることも珍しくありません。
確認自体は1分で終わります。ここでは、期限と自動更新の確認方法、自動更新が止まる原因、これからの証明書の有効期間の短縮への備えを整理します。
まず確認すること:期限・発行元・対象のドメイン
ブラウザで確認する
- 自社サイトを開き、アドレスバーの鍵(またはサイト情報)アイコンを押します
- 「この接続は保護されています」→「証明書は有効です」などの順に開きます
- 次の3つを見ます
| 見るところ | 例 | 分かること |
|---|---|---|
| 有効期限 | 2026/12/20 | 残り日数 |
| 発行元 | Let's Encrypt、Google Trust Services など | 自動更新型の発行元かどうかの目安 |
| 対象の名前(サブジェクト代替名) | example.jp、www.example.jp | www あり・なしの両方が含まれているか |
www あり・なしの片方しか含まれていないと、もう片方で開いたときに警告になります。
コマンドで確認する
ターミナルで次を実行すると、期限と発行元が表示されます。
openssl s_client -connect www.example.jp:443 -servername www.example.jp </dev/null 2>/dev/null \
| openssl x509 -noout -dates -issuer
notAfter= が期限です。
自動更新かどうかを確認する
発行元が Let's Encrypt などの自動更新型でも、自動更新が設定されているとは限りません。サーバー会社の管理画面で「無料SSL」「自動更新」の状態を確認するか、制作会社に「どの仕組みで、いつ更新されるか」を聞いてください。証明書の有効期間の開始日(発行日)が直近で、期間が90日前後と短ければ、自動で更新されている可能性が高いと言えます。
自動更新が止まる、よくある原因
- ドメインのDNSやサーバーを移した:証明書の発行には「このドメインを管理していること」の確認が必要です。移転後、確認の手順が通らなくなることがあります
- 転送やアクセス制限の設定を変えた:確認用のファイルへのアクセスが、リダイレクトやファイアウォールで止められることがあります
- CDNとサーバーで証明書を二重に管理している:どちらの証明書が実際に使われているのか分からなくなりがちです
- 有料証明書を手作業で入れ替えている:担当者の異動や退職で、手順ごと失われます
- 契約の支払いが止まった:サーバーやSSLオプションの契約が切れると、更新も止まります
もう一つ注意したいのは、期限の通知メールに頼らないことです。Let's Encrypt は2025年に、期限切れが近いことを知らせるメールの送信を終了しました。通知が来ないことは、問題がないことを意味しません。
証明書の有効期間は短くなっています
ブラウザと認証局でつくる業界団体(CA/Browser Forum)の取り決め(SC-081)により、公開サイト用の証明書の最長有効期間は段階的に短くなります。
| 時期 | 最長の有効期間 |
|---|---|
| 2026年3月15日から | 200日 |
| 2027年3月15日から | 100日 |
| 2029年3月15日から | 47日 |
1年契約の有料証明書でも、証明書そのものは契約期間の途中で再発行・入れ替えが必要になります。手作業での更新は、回数が増えるほど事故の確率が上がります。今のうちに自動更新へ切り替えることをおすすめします。予定は変わる可能性があるため、作業の前に認証局や販売会社の最新の案内も確認してください(2026年10月時点の情報です)。
よくある誤解
- 「無料の証明書は危ない」:暗号化の強さは有料と同じです。差が出るのは発行時の組織確認や補償です
- 「期限が近づいたらサーバー会社から連絡が来る」:連絡の有無は契約によります。来ない前提で、自社でも確認できる状態にしておきます
- 「鍵マークが出ているから当分大丈夫」:鍵マークは今の時点で有効という意味で、残り日数は表示されません
Webサイト診断の診断ではこう判定します
ホームページ安全設定診断の「SSL証明書の有効期限」(6点)は、次の基準です。
| 状態 | 点数 |
|---|---|
| 残り30日以上 | 6 |
| 残り30日未満だが、自動更新型の発行元(Let's Encrypt、ZeroSSL、Google Trust Services等) | 3 |
| 残り14〜29日 | 3 |
| 残り13日以下 | 0 |
| 期限切れ | 0(総合点の上限を30点) |
| 証明書のドメイン名がサイトと一致しない | 0(総合点の上限を30点) |
そもそもHTTPSに対応していない場合は「HTTPS対応」が不合格となり、総合点の上限を40点にします。あわせて、httpからhttpsへの転送とHSTSも同じ区分で確認します。
依頼文の例
当社サイトのSSL証明書について、次を教えてください。
・現在の証明書の発行元と有効期限
・自動更新かどうか(自動更新なら、その仕組みと前回の更新日)
・www あり/なしの両方が証明書に含まれているか
・自動更新が失敗したときに、誰に通知が届くか
手作業で更新している場合は、自動更新への切り替えの可否と費用もお願いします。
ホームページ安全設定診断では、残り日数と発行元、httpからの転送、HSTSをまとめて無料で確認できます。期限切れや転送の不備をまとめて直すなら安全設定かんたん改善、証明書やドメインの期限を継続して見張るならWordPress保守(月額)をご覧ください。関連する設定はセキュリティヘッダーの優先順位、
よくある質問
無料の証明書と有料の証明書で、暗号化の強さは違いますか?
通信の暗号化の強さは変わりません。違いは、発行前に組織の実在をどこまで確認するか、補償やサポートが付くかなどです。中小企業の一般的なサイトなら、自動更新できる無料の証明書で十分なことがほとんどです。
証明書の期限が切れたら、どうなりますか?
ブラウザに「この接続ではプライバシーが保護されません」などの警告画面が出ます。先へ進むボタンを押す人はほとんどいないため、実質的にサイトが止まったのと同じです。HSTSを設定しているサイトでは、警告を無視して進むこともできません。
参照資料
- Let's Encrypt:Documentation(2026.10.01 確認)
- CA/Browser Forum Ballot SC-081(TLS証明書の有効期間とドメイン検証の再利用期間の短縮)(2026.10.01 確認)
- MDN:Strict-Transport-Security(2026.10.01 確認)
- IPA「安全なウェブサイトの作り方」(2026.10.01 確認)