英語ページがあっても予約されないサイトの共通点
英語ページを作ったのに、海外からの予約や問い合わせが増えない。英語ページが「読めるだけ」で終わってしまうサイトに共通する原因と、予約までの道筋を点検する手順、制作会社への依頼文の例をまとめます。
「数年前に英語ページを作ったが、海外からの予約はほとんど無い」——そう感じている会社は少なくありません。英語ページの文章を見直す前に、海外のお客様がページを見つけ、必要な情報を読み、予約を送り終えるまでの道筋を一度たどってみてください。途中で日本語の壁にぶつかる場所が、たいてい1つはあります。
予約までの道筋と、止まりやすい場所
| 段階 | お客様がしたいこと | 止まりやすい原因 |
|---|---|---|
| 見つける | 英語で検索して英語版にたどり着く | 英語版のタイトルが日本語のまま/hreflangが無い |
| 移動する | トップ以外のページでも英語に切り替える | 言語切り替えがトップにしか無い |
| 判断する | 料金・営業時間・場所・行き方を確かめる | 英語ページが「ごあいさつ」だけで、実用情報は日本語ページにしか無い |
| 申し込む | 英語のまま予約・問い合わせを送る | フォームが日本語で、フリガナ・郵便番号・日本形式の電話番号が必須 |
共通点1:予約フォームが日本語の入力ルールのまま
最も見落とされやすいのがここです。英語ページの「Reservation」ボタンを押すと、日本語のフォームが開き、次のような必須項目が並んでいることがあります。
- フリガナ(全角カタカナのみ)
- 郵便番号(7桁)と都道府県の選択
- 電話番号(ハイフン区切りの日本の形式のみ)
- 名前の入力欄が「姓」「名」の順で、全角のみ
海外の方はここで送信できず、あきらめます。フォームの文言を英訳するだけでなく、**入力のルール(必須項目と形式チェック)**を外国語用に変える必要があります。
共通点2:実用情報が英語ページに無い
英語ページが会社のあいさつと写真だけで、料金・営業時間・定休日・住所・行き方は日本語ページにしか無い、という構成です。お客様が知りたいのは、「いくらで」「いつ開いていて」「どうやって行くか」です。地図を画像だけで載せている場合も、住所を文字で英語表記しておくと、お客様が地図アプリに貼り付けられます。
共通点3:英語ページへの入口が1か所しか無い
トップページの右上にだけ「English」があり、メニューや料金のページから英語に切り替えられない構成です。検索から日本語の下層ページに着いた海外の方は、英語版の存在に気づけません。言語切り替えは、全ページ共通のヘッダーなど同じ位置に置きます。
共通点4:検索結果に英語のタイトルで出ない
英語ページの <title> が日本語のまま、またはhreflangが設定されていないと、英語で検索した人に英語版が表示されにくくなります。仕組みはhreflangの相互参照とx-defaultを図で理解するで詳しく説明しています。
自分で確認する方法
スマートフォンで、海外のお客様になったつもりで次を試してください。所要時間は15分ほどです。
- 自社のサービス名や店名を英語で検索し、英語版が出るか、タイトルが英語か見る
- 日本語の料金ページやアクセスページを開き、そこから英語に切り替えられるか試す
- 英語ページだけを見て、料金・営業時間・住所・行き方の4つが分かるか確かめる
- 英語ページの予約・問い合わせボタンを押し、次の内容で実際に送信できるか試す
- 名前:
Taylor Smith(半角英字) - 電話番号:
+1 555 0100(国番号付き) - 住所:日本以外の住所、郵便番号なし
- 名前:
- 送信できた場合、自動返信メールが英語で届くか確認する
4で送信できなければ、それが最優先の改善点です。
よくある誤解
- 「英語ページがあるので対応済み」:英語ページの「有無」より、英語だけで予約まで終えられるかが大切です
- 「自動翻訳ボタンを付ければ十分」:画面上だけの翻訳では、検索エンジンに英語版として見つけてもらえません。フォームの入力ルールも変わりません
- 「海外の方は電話で予約してくれる」:国際電話と日本語での会話は、多くの方にとって大きなハードルです
当サービスの診断ではこう判定します
Webサイト診断の多言語・インバウンド対応診断では、選択した言語(未選択なら英語)のページについて、次の項目を公開情報から確認します。
| 項目 | 配点 | 合格の条件 |
|---|---|---|
| 言語切り替え | 10点 | 全ページ共通の位置に切り替えがある(トップのみは5点) |
| 外国語ページのタイトル | 10点 | 選択した言語で書かれている |
| 住所・営業時間・アクセス・価格の外国語表記 | 15点 | 4項目中3つ以上を外国語ページで確認できる(1〜2項目は7点) |
| 外国語での予約・問い合わせ導線 | 10点 | 外国語ページから予約・問い合わせ・購入へ移動できる(移動先が日本語のフォームのみは4点) |
フォームに実際に入力・送信することはしません(公開ページの確認だけです)。そのため、フォームの必須項目が外国語に対応しているかは、上の手順4でご自身で確かめてください。翻訳の自然さは点数に含めず、詳細レポートで参考評価としてお伝えします。
制作会社への依頼文の例
英語ページから予約・問い合わせを英語のまま送れるよう、次の対応をお願いします。
1. 英語用の問い合わせフォームを用意する
- 必須:Name・Email・Message(予約なら日付・人数)
- フリガナ・郵便番号・都道府県は不要。電話番号は任意で国番号付きの入力を許可
- 自動返信メールを英語にする
2. 言語切り替えを全ページ共通のヘッダーに置き、各ページの英語版へ移動できるようにする
3. 英語ページに、料金・営業時間・定休日・住所(英語表記)・行き方を文字で掲載する
対応後、英語フォームから海外形式の名前・電話番号で送信テストをしていただけますか。
次に読む
飲食店の方は、メニューや食材の表記を含めて飲食店の訪日客向けページに必要な情報をご覧ください。ネットショップの方は多言語ECで通貨・配送・返品をどう伝えるかが参考になります。
英語ページの道筋がどこで止まっているかは、無料のご相談で一緒に確認します。フォームの作り直しや主要ページの外国語化をまとめて任せたい場合は多言語化・インバウンド対応、外国語の質問にAIチャットで自動回答する仕組みは多言語AIチャットで自動回答をご覧ください。
よくある質問
翻訳の質が悪いから予約が来ないのでしょうか?
翻訳の自然さも影響しますが、先に確認したいのは、料金・営業時間・場所・予約方法が英語で分かるか、英語のまま予約を送れるかです。情報が揃っていない英語ページは、どれだけ自然な英語でも予約につながりません。
予約は電話だけで受けています。英語ページに電話番号を載せれば足りますか?
海外の方にとって、日本への国際電話や日本語での会話は高いハードルです。国番号付きの電話番号(+81)に加えて、英語で送れるフォームかメール、または外国語に対応した予約サービスへのリンクを用意することをおすすめします。
参照資料
- Google 検索セントラル:ページのローカライズ版について Google に知らせる(2026.10.01 確認)
- 日本政府観光局(JNTO)(2026.10.01 確認)
- 観光庁「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」(2026.10.01 確認)