多言語・インバウンド

飲食店の訪日客向けページに必要な情報

訪日客向けに英語ページを作る飲食店が、最低限載せたい情報を整理します。食材・アレルゲンの書き方、税込価格やお通しの説明、支払い方法、予約とキャンセルの条件、行き方まで、確認用のチェックリスト付きです。

「英語のメニューは店内に置いているが、ホームページは日本語だけ」「英語ページはあるが、料理の写真とあいさつだけ」——飲食店のサイトを診断すると、この2つの状態をよく見かけます。訪日客は来店前に、地図アプリや検索から公式サイトを開き、食べられるものがあるか、予算に合うか、予約できるかを確かめています。答えが見つからなければ、次の候補のお店へ移ります。

載せたい情報の一覧

分類載せる内容書き方のポイント
食材豚肉・牛肉・アルコール・魚介・卵・乳・小麦・そば・ナッツ類の使用料理ごとに記号や一覧で。だしや調味料に含まれるものも
価格税込価格、コース料金、お通し・席料・サービス料「全部でいくらか」が分かるように
支払い現金のみか、使えるクレジットカード・電子決済使えないものもはっきり書く
予約予約方法、人数、時間制限、キャンセル料、無断キャンセルの扱い英語で申し込める手段を必ず1つ
営業営業時間、ラストオーダー、定休日、臨時休業の知らせ方24時間表記(17:00–22:00)が伝わりやすい
場所住所(英語と日本語の両方)、最寄り駅と出口、徒歩分数、地図リンク日本語住所はタクシーで見せるため
店内席数、カウンター・個室、喫煙の可否、子ども連れ、英語メニューの有無事実だけを短く

食材とアレルゲンの書き方

日本の食品表示法では、容器包装された加工食品に特定原材料(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)の表示が義務付けられています(品目は見直されることがあるため、消費者庁の最新情報を確認してください)。飲食店の料理はこの表示義務の対象外ですが、お客様に伝える項目の目安として使えます。

訪日客の場合、アレルギーに加えて、宗教や信条による食事制限もあります。特に伝わりにくいのが次の点です。

  • だし:かつお節や煮干しなど魚由来のだしは、「野菜料理」に見えるものにも入っています。ベジタリアンの方には重要な情報です
  • アルコール:みりん・料理酒など、調味料のアルコールを気にする方もいます
  • 豚由来の原料:ラード、ゼラチン、豚骨スープなど、料理名からは分からないもの

すべてを網羅するのが難しい場合は、「豚肉不使用」「魚のだしを使用」のように、分かっている事実を料理ごとに書き、それ以外は店員に確認してほしいと添える形で十分役に立ちます。ハラール・ヴィーガンなどの言葉は、認証や全工程の管理を説明できる場合だけ使いましょう。

価格と追加料金

日本の消費者向けの価格表示は税込の総額表示が義務です。外国語ページでも税込価格を載せ、「Prices include tax.」のように明記します。お通し(席料)やサービス料は日本独自の習慣で、知らないお客様が多いため、金額と内容を必ず書いておきます。

Table charge: ¥500 per person (a small appetizer is served). Prices include tax.

自分で確認する方法

外国語ページだけを見て、次のチェックリストに答えられるか確かめてください。

  • 豚肉・アルコール・魚のだしを使った料理がどれか分かる
  • コースや人気メニューの税込価格が分かる
  • お通し・席料・サービス料の有無と金額が分かる
  • 現金以外で払えるか、どのカード・決済が使えるか分かる
  • 英語のまま予約を申し込める(フォーム・メール・外国語対応の予約サービスなど)
  • キャンセル料と、何日前から発生するかが分かる
  • 営業時間・ラストオーダー・定休日が分かる
  • 住所を英語と日本語で確認でき、最寄り駅からの行き方が分かる
  • メニューが画像やPDFだけでなく、文字でも読める

メニューを画像やPDFだけで載せている場合、ブラウザの翻訳機能や読み上げ、検索エンジンが中身を読めません。主要な料理と価格だけでも、ページ本文に文字で書いておきます。

よくある誤解

  • 「写真があれば伝わる」:写真では、食材・価格・量・追加料金は分かりません
  • 「店内の英語メニューで足りる」:お客様は来店前にお店を選んでいます。来店前に見られる情報が判断材料です
  • 「予約は電話で受けられる」:国際電話や日本語の会話は大きなハードルです。英語で送れる手段を1つ用意してください。予約の詳しい点検方法は英語ページがあっても予約されないサイトの共通点で説明しています

当サービスの診断ではこう判定します

Webサイト診断の多言語・インバウンド対応診断では、選択した言語(未選択なら英語)のページについて、公開情報から次の項目を確認します。

項目配点合格の条件
選択した言語のページ20点選択したすべての言語でページがある
住所・営業時間・アクセス・価格の外国語表記15点4項目中3つ以上を外国語ページで確認できる(1〜2項目は7点)
外国語での予約・問い合わせ導線10点外国語ページから予約・問い合わせへ移動できる(移動先が日本語のフォームのみは4点)

外国語ページが見つからない場合は、点数の上限を20点とし、結果は「未対応(これからの伸びしろ)」として表示します。食材やアレルゲンの書き方は自動では採点していません。上のチェックリストでご確認ください。

制作会社への依頼文の例

訪日客向けに、英語ページへ次の情報を追加してください。原稿はこちらで用意します。
1. 主要メニュー(約15品):英語名・税込価格・食材の記号(豚肉/牛肉/アルコール/魚介のだし/卵/乳/小麦/そば/ナッツ)
   - 画像ではなく文字で掲載
2. お通し(1人500円)・支払い方法(使えるカード・電子決済)・営業時間・定休日
3. 住所(英語・日本語併記)、最寄り駅と出口、地図アプリへのリンク
4. 英語で送れる予約フォーム(日付・時間・人数・名前・メール・食事の制限)とキャンセル規定
5. 全ページのヘッダーに言語切り替え、英語ページの title と <html lang> を英語に

次に読む

英語ページを検索で見つけてもらうための設定は、hreflangの相互参照とx-defaultを図で理解するで説明しています。

いまの外国語ページに何が足りないかは、無料のご相談でお伝えします。メニューの外国語化や予約導線をまとめて整えたい場合は多言語化・インバウンド対応、店内のQRコードから外国語の質問にAIチャットが答える仕組みは多言語AIチャットで自動回答をご覧ください。

よくある質問

「ハラール対応」や「ヴィーガン対応」と書いてもよいですか?

認証を受けている、または全工程で条件を満たしていると説明できる場合に限ります。調理器具や揚げ油を共用している、だしに魚や肉を使っているなどの場合は、「豚肉不使用のメニューがあります」のように、事実をそのまま書く方が誤解やトラブルを防げます。

お通し(席料)は書かない方が印象がよいのでは?

書かずに会計で請求すると、知らなかったお客様とのトラブルや、口コミでの不満につながりやすくなります。金額と内容(小鉢が出て、1人あたりいくら)を事前に書いておく方が安心して来店してもらえます。

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参照資料

  1. 消費者庁:食品表示法に基づくアレルゲン(特定原材料)の表示(2026.10.01 確認)
  2. 国税庁・財務省:消費税の総額表示義務(2026.10.01 確認)
  3. 日本政府観光局(JNTO)(2026.10.01 確認)
  4. 観光庁「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」(2026.10.01 確認)