PageSpeedの点数だけを追わない方がよい理由
PageSpeed Insightsの点数が低いと言われたら。点数(ラボデータ)と実際の利用者のデータの違い、Core Web Vitalsの3指標と基準値、中小企業サイトで効果の大きい改善の順番を説明します。
「PageSpeedが40点なので、作り直しましょう」——営業の提案や社内の会議で、PageSpeed Insightsの点数が話題になることがあります。点数が低いのは気になりますが、点数そのものは目的ではありません。大切なのは、お客様がスマホで開いたときに、待たされず、画面がずれず、すぐ操作できることです。
PageSpeed Insightsに出る2種類のデータ
PageSpeed Insights(Googleの無料ツール)でURLを調べると、2種類の結果が表示されます。
| 実際の利用者のデータ(フィールドデータ) | 点数とその下の診断(ラボデータ) | |
|---|---|---|
| 何か | Chromeを使った実際の訪問者の体感を集計したもの(Chrome UX Report) | Lighthouseという仕組みで、決まった条件(遅めの回線・端末を想定)で1回読み込んだ試験結果 |
| 期間 | 過去28日間 | 測ったその1回 |
| 判定 | Core Web Vitalsの各指標を75パーセンタイル(利用者の4人に3人が体験する値)で評価 | 0〜100点 |
| 出ない場合 | アクセスが少ないと集計されない | ほぼ必ず出る |
点数(ラボデータ)は、原因を探すための試験です。お客様の実際の体感に近いのはフィールドデータの方です。両者が食い違うことは珍しくありません。
Core Web Vitalsの3指標と基準値
Googleが「良好」とする基準は次のとおりです(2026年10月時点。基準は web.dev の公式ページで確認してください)。
| 指標 | 意味 | 良好の基準 |
|---|---|---|
| LCP(Largest Contentful Paint) | 画面で一番大きな画像や文章が表示されるまでの時間 | 2.5秒以内 |
| INP(Interaction to Next Paint) | タップやクリックしてから画面が反応するまでの時間 | 200ミリ秒以内 |
| CLS(Cumulative Layout Shift) | 読み込み中に画面がずれる量 | 0.1以下 |
INPは2024年3月に、それまでのFID(最初の入力までの遅延)に代わって指標になりました。古い記事でFIDの説明を見かけたら、情報が古いと考えてください。
点数だけを追わない方がよい理由
- 点数は毎回変わる:同じページでも測るたびに数点動きます。85点と88点の違いに意味はほとんどありません
- 点数を上げる作業が、成果につながるとは限らない:最後の数点を上げるために、問い合わせフォームのチャット、地図、計測タグなど必要な機能まで外すのは本末転倒です
- 検索順位は内容が第一:Googleは、ページの体験(表示速度を含む)を評価に使うとしつつ、内容の関連性や有用性がより重要だと説明しています。速さだけで順位が大きく変わることは期待しない方が無難です
- 実害は「遅すぎる」ときに出る:スマホで数秒以上真っ白、ボタンを押そうとしたら画面がずれて別の場所を押した——こうした状態は、お客様が離れる直接の原因になります
自分で確認する方法
- PageSpeed Insightsに、トップページと、問い合わせ前によく見られるページ(サービス・料金など)のURLを入れる
- まず「実際のユーザーの環境で評価する」欄を見る。データがあれば、LCP・INP・CLSのどれが「不良」かを確認
- データがなければ「パフォーマンスの問題を診断する」の点数と、その下の「改善できる項目」を見る。数回測って傾向を見る
- 自分のスマホで、モバイル回線(Wi-Fiを切る)でトップページを開き、体感を確かめる
- Search Consoleを使っていれば、「ウェブに関する主な指標」レポートで、サイト全体の不良URLの数を確認できます
中小企業サイトで効果の大きい改善の順番
当サービスの診断で遅いと判定されるサイトでは、次の原因がよく見つかります。上から順に、費用対効果が高い傾向があります。
- 大きすぎる画像:スマホの画面幅に対して何倍も大きい写真をそのまま載せている。適切な大きさに縮小し、WebPなどの形式に変える
- 画面のずれ(CLS):画像に幅と高さが指定されていない、後から広告やバナーが差し込まれる。画像の幅・高さを指定し、後から出る要素の場所をあらかじめ確保する
- 使っていないプラグイン・外部タグ:過去のキャンペーンの計測タグ、使っていないSNS埋め込み、スライダー。不要なものを外す
- サーバーの応答が遅い:最初の応答に1秒以上かかる場合は、キャッシュの設定やサーバーのプランを見直す
- それでも足りなければ、テーマやページ構成の見直し
最初の2つは、作り直さなくても直せることが多い項目です。
よくある誤解
- 「100点でないと検索に不利」:基準を満たしていれば十分です。満点を目指す必要はありません
- 「パソコンで速いから問題ない」:多くのお客様はスマホで見ています。PageSpeed Insightsもモバイルの結果を先に表示します
- 「点数が低いのでリニューアルが必要」:画像の縮小や不要なタグの削除で大きく改善することがあります。作り直しは原因を確かめてからにしてください
当サービスの診断ではこう判定します
集客・問い合わせ導線診断の「スマホでの表示速度」(8点)は、PageSpeed Insightsのモバイルの点数で判定しています。90点以上で8点、50〜89点で5点、49点以下で1点、測定に失敗した場合は点数に入れず「測定できなかった」と表示します。速度だけで点数が大きく下がらないよう、配点は全体の一部にとどめています。ネットショップ販売基盤診断では、商品ページの表示速度を同じ基準(90点以上・50〜89点・49点以下)で10点満点として確認しています。
制作会社への依頼文の例
スマホでの表示速度について、次の調査と見積もりをお願いします。
・PageSpeed Insights(モバイル)で、トップ・サービス・お問い合わせページの
LCP・INP・CLS と主な原因を一覧にしてください
・画像の縮小と形式変換(WebP等)、画像の幅・高さの指定
・使っていないプラグイン・計測タグの洗い出しと削除の提案
・問い合わせフォームと計測タグ(GA4)は残す前提でお願いします
点数の目標ではなく、Core Web Vitals の「良好」を目標にしたいです。
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速度は「選ばれる」段階の一要素です。問い合わせが来ない原因の全体像はホームページから問い合わせが来ないときの確認順で整理しています。ネットショップの方はShopify商品ページを公開情報から点検する方法もあわせてどうぞ。
表示速度の改善や、ほかに優先して直すべきところは、無料のご相談でお伝えします。
よくある質問
点数が毎回違うのはなぜですか?
ラボデータは、測定するサーバーの状態、ネットワーク、広告や外部タグの読み込み状況などで変わります。数点の差は誤差と考えて、数回測った傾向で判断してください。
「実際のユーザーの環境で評価する」欄に何も出ません。
実際の利用者のデータ(Chrome UX Report)は、一定以上のアクセスがあるページやサイトでしか集計されません。アクセスの少ないサイトでは表示されないのが普通です。その場合はラボデータを目安にします。
参照資料
- PageSpeed Insights(2026.10.01 確認)
- web.dev:ウェブに関する主な指標(Web Vitals)(2026.10.01 確認)
- Google 検索セントラル:Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について(2026.10.01 確認)
- Chrome UX Report(CrUX)ドキュメント(2026.10.01 確認)